煙草とカセットテープの離婚

遠くにある文字は小声で話しているわけではない

数字

きみごとの町、きみごとのコンビニ、きみごとのブックオフに、しおれたサラダみたいな街路樹も添えてから、みんなで捨てたふるさとにさっき戻ってきたんだ。健康サンダル。それは呼ばれずに春の雨にとけてしまった番組の名前。画面が何十年も同じ道路だけ映してるよって、きみに云われるまでずっと焦げたテーブルだと思ってた。どうしてそんな模様に自分もなっているのか、きみにもわからなかったんだろう。動物に墓をつくって、貼り紙のような気持ちで向き合っているとき、たくさん数字がある光、髪の毛の暗さをところどころ窓にして、夜気がつれてくる次の動物も小さな足だった。箱の中身を忘れてくれる。静かに開けてからドアだとわかった右側を、どこから笑って叩いてきれいな音をたててくれるのかなって、蝶の色をおぼえたあとで、一緒に気持ちが花の輪郭に近づいてしまった。スプーンが錆びてもゼリーなんだ。きみは自分が食べてるのが昔の地球だと、いつまで信じているんだろう。