煙草とカセットテープの離婚

遠くにある文字は小声で話しているわけではない

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

駐車場

ビートをくれよ、ときみが瞼をたまに鳴らしたんじゃないかな。いつもの布団にあたっているたった今の太陽、その大げさなあかるさは大丈夫だと思ったよ、しんどくても生きていける。だから反対側のホームで花火をしていたり、なにげない自分の特徴を紙に書い…

名前

タクシーが待っている昼に少し並んでからケーキ皿にのせられている手をどけて、いいなと思った服に声をかけた。それがあなたの一年間に起きたことのすべて。日記にはもう少し鳥の声や百貨店の屋上の雨の痕をつけ足したけど、つくり話だったこと自分でも忘れ…

しばらくバスが来ないから、月に行こう。それはロープウェイのかたちをした魂で、一人乗りだけどむりして一緒に乗ってしまった、午後三時。ちいさくなった工場がもう塩粒くらいしかつくれないサイズの銀色になってる。ぼくらが最初に傘を差した歩道を、どこ…

四角い土地

まさかこんな石を拾うとは思わなかった。色のことかたちのこともそうだけど、自分で決めたコンビニを勝手に更新して自分の月にしてしまう。そういうきみの性格が誰かのなげた石で音をたてて倒れるのを、もっとみてみたいし、これ以上みたくない。ほんとうの…