煙草とカセットテープの離婚

遠くにある文字は小声で話しているわけではない

駐車場

ビートをくれよ、ときみが瞼をたまに鳴らしたんじゃないかな。いつもの布団にあたっているたった今の太陽、その大げさなあかるさは大丈夫だと思ったよ、しんどくても生きていける。だから反対側のホームで花火をしていたり、なにげない自分の特徴を紙に書いて燃やされてしまっても、これも記憶なんだと片手で同じ文字を投げかけてくる男の子に知ってもらえてビートに歯が当たったって、どういう蜜柑なんだろうねえ、じゃまにされたくないよねえと母の自動車が暗くなって、速度はだれにでもついてくる鳥の群れなんだからって話。ゴールをめざすべきだった、そのゴールは黄色くて酔っ払っている。オーケーここが大丈夫な駐車場のひとつになれば、きみの体温計に刺されて花はびっくりして萎れてしまったけど、その先にあらわれる三日後のさよならパーティーを、今からぎざぎざの模様で通路ごと縁どってあげるからさ、と先生は。