煙草とカセットテープの離婚

遠くにある文字は小声で話しているわけではない

眉毛

スズメバチをおしえたら鏡が暗くなって、そこに堤防が埋まってるような色だね、髪がのびた人がたずねてくるらしい。三十歳になってるって。終バスは何度も同じ話の中に出てきた。ホテルがあれば、朝があるのと同じことだから爪を切りながら、運転手のいない車が見たいと思った。共同墓地。投げた草が眉毛に見えるような風を、いつから吹いてるのだとしても浴びている、階段の途中で、警察を呼んだことがある。ペンがくるくる回っていつか止まると、きみを差している、その右の瞼の草と実をこすりつけたような翳りに、次の十年間のドアを感じる。次は誰も死なないかわりに、警察には無視されて、屋上の水たまりで暮らしてしまえばいい。誰も怒られない駐車場があるだろうか。川はあつまると声を出してしまうから、今度、革命の話をしようよ。